請求書を一括編集できるツールはあるか|主要7サービスの公式資料で調べた
請求書を「一括編集」できるツールはあるか|主要7サービスの公式資料で調べた

毎月、取引先ごとに金額だけが違う請求書を10枚つくる。そのうち3社から「単価が変わった」と連絡が来て、3枚を開き直して直す。この「まとめて直す」が、請求書サービスでどこまでできるのかを、主要7サービスの公式ドキュメントで1つずつ確かめました。

結論を先に書きます。複数の請求書の明細や金額を1画面に並べてまとめて編集する機能は、7サービスの公式ドキュメントのどこにも見つけられませんでした。 マネーフォワード クラウド請求書にいたっては、公式ヘルプが「複数の帳票を一括で編集することはできません。」と明記しています。

※ この記事の内容はすべて 2026年8月13日 に各社の公式サイト・公式ヘルプで確認したものです。比較サイトやアフィリエイト記事は根拠に使っていません。

この記事は請求書メーカー(複数の請求書を1画面でまとめて編集できるツール)をつくる過程で調べたものです。

調べた7サービスと、その結果

サービス一括「編集」根拠
マネーフォワード クラウド請求書公式が明確に否定ヘルプに「複数の帳票を一括で編集することはできません。」と記載
freee請求書該当機能を確認できず帳票一覧の一括操作はステータス変更のみ
board明細は対象外「案件情報の一括変更」で変えられるのは担当者・ステータス等
Misoca該当機能を確認できずヘルプに一括編集の記事が見当たらない
INVOY該当機能を確認できず同上
MakeLeaps該当機能を確認できず同上
ジョブカン見積/請求書該当機能を確認できずヘルプにあるのは一括送信・一括ダウンロード

「確認できず」は「絶対に無い」という意味ではありません。 公式ドキュメントに載っていない機能が実装されている可能性はあります。この記事で言えるのは「公開されている資料の範囲では見つけられなかった」ということまでです。

まず、言葉を分けます。一括「作成」と一括「編集」は別のものです

ここが混ざったまま比較されていることが多いのですが、この2つはまったく違う作業です。

中身実際にやること
一括作成CSVを用意してアップロードすると、請求書がまとめて生成される表計算ソフトに戻る。 列を揃え、文字コードを合わせ、取引先の情報を一致させる
定期請求(自動作成)前回と同じ内容を、決めた周期で自動生成する金額が毎月変わる商売では、生成されたものを1件ずつ開いて直す
一括編集複数の請求書を1画面に並べて、その場で直す

各社が「一括」と呼んでいるのは、ほぼ前の2つです。

たとえばMisocaの一括作成は、公式の手順を読むと「一括作成/郵送」画面から記入用テンプレートをダウンロードし、CSVに情報を入力してアップロードする、という流れになっています。テンプレートは「UTF-8版」と「Excel使用時のShift-JIS版」に分かれていて、ヘルプには「テンプレートの1行目はヘッダーとして必要なため、削除・変更はしないでください」と書かれています。

つまり表計算ソフトの作業がそのまま残ります。 請求書サービスを入れた動機が「Excelから離れたい」だった場合、一括作成はその動機を満たしません。

そして一度作ったあとに単価が変わったら、CSVを作り直すか、1件ずつ開いて直すかの二択になります。

各社の状況を、公式の記述で

マネーフォワード クラウド請求書

公式ヘルプ「帳票の作成・編集・削除方法」の注意書きに、はっきり書かれています。

複数の帳票を一括で編集することはできません。

7サービスのなかで、できないことを公式が明言しているのはここだけです。曖昧さがない分、いちばん誠実な書き方だと思います。

なお同社の「一括」系の機能そのものは存在します。ただしプラン別機能表を見ると、個人向けでは次のようになっています。

機能無償パーソナルミニパーソナルパーソナルプラス
帳票CSVアップロード×××
一括メール送信×××
印刷用ファイルの一括作成×××
一覧モード×××

一括系はすべてパーソナルプラスプランだけで使えます。「安いプランで一括を使う」という選び方はできない、ということです。

freee請求書

帳票一覧の一括操作について、公式ヘルプはこう書いています。

送付ステータス・入金ステータス・支払ステータスを一括で変更できます。また、全ての帳票(請求書、見積書、納品書、発注書、領収書、支払通知書)で利用できます。

一括でできるのはステータスの変更までで、金額や明細をまとめて直す記述はこのページにありません。

freeeのCSVインポートは仕様が公開されていて、CSVファイル60,000行・1帳票の明細500行・ファイルサイズ100MBまで扱えます。件数の面ではかなり余裕があります。ただしこれも「作成」の話です。

board

boardには「案件情報の一括変更」という、名前だけ見ると近そうな機能があります。実際に変更できる項目は公式ヘルプに列挙されていて、担当者・受注ステータス・進捗状況・支払方法・和暦表示・案件区分・グループ・会計区分・タグ・TO・CC・社内メモ・顧客情報最新化です。

請求書の明細(品目・金額・数量)は入っていません。 また「一括変更は、同時に20件までです。」と上限も明記されています。

Misoca・INVOY・MakeLeaps・ジョブカン見積/請求書

この4サービスについては、公式ヘルプや機能ページを見た範囲で、一括編集にあたる機能の記載を見つけられませんでした。ジョブカンにあるのは一括送信・一括ダウンロード・流用/コピーで、いずれも編集ではありません。

繰り返しになりますが、これは「調べた範囲で見つからなかった」ということです。 各社とも機能追加を続けているので、この記事より新しい情報があれば、そちらが正しいと考えてください。

正直に書いておきたいこと

無料プランで足りてしまう場合が、実際にあります

比較記事としては都合の悪い話ですが、隠すと意味がないので書きます。

Misocaの無料プランは請求書が月10通まで無料で、見積書・納品書・領収書は通数の制限がありません。しかもCSV一括作成・自動作成予約・一括メール送信・一括PDF(ZIP)まで無料の範囲に入っています。無料でできないのは郵送・複数人利用・FAX・決済・電話やメールでのサポートです。

INVOYのFreeプランは帳票の作成・管理がすべて無料で、有料(Standard)になるのは資金繰り表と口座自動連携の2つだけです。

取引先が10社に満たず、毎月の請求書が10通以下なら、無料で完結するケースは普通にあります。 線が引かれるのは「通数を超えたとき」と「一括の作業が必要になったとき」の2点です。

金額だけを並べて比べることはできません

各サービスは守備範囲が違います。会計ソフトは確定申告まで面倒を見ますし、クラウド請求書は郵送代行や入金消込まで担うものもあります。この記事は「複数の請求書をまとめて直せるか」という1点だけを見たもので、サービス全体の優劣を論じたものではありません。

また、各サービスを実際に業務で使い込んだうえで書いているわけではないので、操作性の評価は書いていません。書いてあるのは公式ドキュメントに載っていることだけです。

では、まとめて直したい人はどうするのか

ここまでが調べた結果です。最後に、私たちが作っているものの話を少しだけ。

この調査は、自分の請求作業が発端でした。毎月、取引先ごとに金額だけが違う請求書を作り、あとから何件かを直す。この「まとめて直す」を素直にやれるものが見当たらなかったので、自分で作りました。

複数の請求書を、1画面でまとめて編集できるツールをつくっています

取引先ごとの請求書を1画面に並べて、その場で金額や明細を直せます。直したらまとめてPDFに出力。URLを開くだけで使えて、インストールもログインも要りません。月額はかからない買い切りで、インボイス制度の記載事項に対応したPDFを出力します。

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この記事で参照した公式ページ(すべて2026年8月13日確認)